芦原すなお - 青春デンデケデケデケ

青春デンデケデケデケ (河出文庫―BUNGEI Collection)

青春デンデケデケデケ (河出文庫―BUNGEI Collection)

 イリヤで得られなかった甘酸っぱ成分を求めて、再読。但し、ボーイミーツガールならぬボーイミーツロックではあるけれど。

 舞台は60年代の香川県。主人公ちっくんがラジオで流れていた洋楽のロックに感銘を受け、同級生たちとバンドを結成し、アルバイトでお金を貯めて楽器を買い、日々練習に勤しみ、時々女の子に恋をしながら、最後は学園祭でライヴを開催する。
 物語の大筋としてはこれだけしかない。いやしかし、再読であるにも関わらず、読んでいる本人がビックリするぐらい笑って、そして泣いた。

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繰り返される諸行無常

 「またつまらぬものを消してしまった」と石川五右衛門ばりに呟きながら、過去の記事を消去する。そんな私の斬鉄剣
 ところで今初めて知ったんだが、ルパンのゴエモンは漢字が五右衛門ではないのだな。またつまらぬ知識を得てしまった。
 しかし書き溜めた文章がゼロになった途端、何か書きたい欲求がむくむくとボッキするのだから性質が悪いというか。

 そういえば年始に今年の目標を決めていなかった。
 毎年何かしら目標を掲げ、その数日後にはすっかり失念しているけれど、今年は違うぞっ!
 というわけで今決めた。行き当たりばったりだとかそんなの気にしない。
目標:エンタメる
 今年二十八歳にもなるのだがそれで良いのだろうか、という疑問はゴミ捨て場に置いとく。清掃員が困惑するだろうけど気にしない。それ、可燃ごみですよー!
 出来れば感想も簡素に(あ、韻を踏んだ!)ここに書いていきたい。

秋山瑞人 - イリヤの空、UFOの夏


 数年前、「涼宮ハルヒの憂鬱」に甚く感銘を受けて、近年の名作ラノベに手を出してみようと思い立って、真っ先に近所のブックオフでサルベージしてきたのがこれ。確かハルヒがアニメ化された時分に購入したと思うので、かれこれ七年前になる。……軽く眩暈がしてきた。
 長らく部屋の片隅で積読状態にあったのだけど、おのれのラノベブームが一ヶ月も保たなかったことも然ることながら、実は<その1>が行方不明で読むに読めなかった。私の性格をご存知の読者諸氏ならばご理解頂けるだろうが、私は面倒臭がりが脂肪を付けて歩いてるような人間なので、部屋が物凄く雑然としている。特に酷いのが書籍類で、未読、既読を問わずに、ピサの斜塔的な安定感を欠いたブックタワーが至るところに無数に存在している。自慢気に語ることではないけども。
 ところが、だ。先日、何の気なしに掃除をしていたらポロッと発見してしまった。探し物あるあるだ。そんな具合に、数年越しにやっと読むことが出来た。舞台が夏であることは気にしない。

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